【無意識思考】重要な意思決定は無意識におまかせ【科学的根拠あり】

私たちは常日頃いろんな選択をしています。

例えばお買い物とかメニューの選択とかそれこそ数えればたくさんありますよね。

その中でもここぞ!という選択があったりします。
職業選択や進路選択、結婚相手の選択などです。

どれも複雑で難しい選択ですよね。

職業選択にしても、業種は様々ですしそれに対応する会社組織の数も無数にあります。

進路選択もそうです。
例えば、大学や専門学校にしても、似たような学部学科はたくさんあります。
学費や場所、卒業の進路状況などを加えると検討材料はたくさんありますよね。

このように複雑で難しい選択というのは検討材料が非常に多いのが特徴です。

では、これらの問題にどのようにアプローチすればいいのでしょうか。

私たちは選択するときに2つの思考法を使い分けているといいます。

一つ目は早い思考です。
パッと決める直観(直感)に相当します。

二つ目が遅い思考です。
じっくり考える論理的思考、合理的思考に相当します。

私たちはこれらの2つの思考法を使い分けながら選択をしているのです。

ところが、最新の研究報告によると、複雑で難しい選択には第3の思考法、無意識思考が大いに活躍してくれるというのです

人生は選択の結果

人生は選択の連続です。

その選択の積み重ねによって私たちの人生というもは形成されています。

例えば、健康もそうです。
日々の食事内容だったり運動習慣などが積み重なって日々の健康というものが形成されていくわけですね。

人生も同じようにその時々の選択が今という現状を作り出しているのです。

コロンビア大学で意思決定の研究をされているシーナ・アイエンガー氏によりますと私たちは1日に平均70回の意思決定をしていると言っています。

年に換算すると約26000回になります。

一つ一つは小さな選択かもしれませんが、それぞれの選択でよりベストな選択をする。
それが人生において非常に大切になってきます。

思考法の心理学ー早い思考(直観)と遅い思考(論理的思考)

では、私たちの選択や意思決定はどのように行われているのでしょうか?

心理学では、私たちは二つの思考法を使って意思決定を行なっていると説明しています。

それが先ほどご紹介した「早い思考」「遅い思考」です。

私たちはこの2つの思考法をバランスよく駆使しながら日々の生活を送っているんですね。

例えば、衝動買いを思いとどまるシーンを思い浮かべてみてください。

お店に入るや否や「ああ、これ欲しい!」と感情的なります。

しかし、冷静になり「いや、ちょっとまてよ」となるわけです。

欲しいと感情的に思ったのは早い思考によるもので、「まてよ」とブレーキをかけたのが遅い思考です。

車で例えますと、アクセル(早い思考)・ブレーキ(遅い思考)を使い分けながらより最善の選択ができるように私たちの脳は思考してくれているのです。

難しい選択にはどうアプローチする?

実は、これらの思考法は単純な選択や学校教育で習うような論理的に考えることで答えを導き出せるような課題に対しては効果を発揮することがわかっています。

一方、複雑で難しい選択にはあまり効果的ではないのです。

そこで、「思考を寝かせる」という全く新しい思考法が必要になるのです。

思考を寝かせている間、他のことをやっていても脳はちゃんと思考し続けているのです。

これが無意識の思考と呼ばれる思考法なのです。

心理学者・フロイトの残した言葉とは?

約120年前に顕在意識や無意識という精神分析学の基礎を作り上げたフロイトという心理学者がいるんです。

そのフロイトが次のような逸話を遺しているんです。

些細な意思決定をする時は長所と短所を全て考慮した方が良いと分かっています。
しかし、パートナーや職業選択のような重要な選択になると意思決定は自分自身のどこかから・・・無意識からやってくるかもしれません

そう、重要な選択での意思決定は無意識からやってくるとはっきりと述べているんですね。

これは無意識思考の結果であると考えられます。

無意識思考をほのめかすベストセラー本

無意識思考の科学的研究及び理論化は比較的最近の話です。

ですが、概念自体は結構古くからあるんですね。

例えば、クリエイティブ系のお仕事をされている方なら一度は読んだことがあるであろうジェームス・ヤング著の『アイデアの作り方』(CCCメディアハウス)に掲載されている考え方です。

20年以上前に発売された本で、かなり薄い本ですが未だに読まれ続けています。

その本の趣旨は、アイデアを作りたければ情報を集め、あとはほっときなさいという非常にシンプルなものです。

とにかく頭に情報を入れたら、それに意識を向けずに、閃くのを待ちなさいというイメージです。

これなんかはまさに無意識思考を使う発想にとてもよく似ています。

他にも、これも30年以上前に発売された本で未だに読み継がれている外山滋比古著『思考の整理学』(ちくま文庫)があります。

この本も頑張って考えることが唯一の思考法ではなく、思考を寝かせることの重要性を説いているのです。

そして無意識の思考についてもっと関心を抱くべきだというようなことも仰っています。

(もちろん、先にも書きました通り、当時の科学技術では無意識思考が存在すると科学的エビデンスを提供することは難しくこれらの本でもそれらには言及されておりません)

無意識思考を人生に活かしましょう!

これから人工知能の時代がやってきます。

単純な選択というのは全部コンピューターがやってくれるといいます。

それだけではなく、論理的にできる思考は人間を凌ぐともいわれています。
将棋なんかそうですよね。

もう、人間より人工知能の方が上回っているともいわれています。

とはいえ、職業選択などは責任も伴いますし、人工知能に決めてもらうわけにもいきません。

やはり、どんなに難しい選択であってもご自身で行わなければならないのです。

その意味で無意識思考はこれからの時代に必要不可欠な思考法であるといえます。

拙著『Third thinking 最先端の脳科学・心理学研究が証明した“最強の思考法”』(あさ出版)は無意識思考について豊富な研究データを紹介し一般の方にもわかりやすく記述された本です。

いわば、『アイデアの作り方』や『思考の整理学』の理論編といった内容になっています。

思考を寝かせればうまくいくと言われても根拠が必要ですものね。

しかし、これらの名著が出版された2,30年前は心理学や脳科学の技術が今ほど発達していなかったため、科学的根拠を明示することはできませんでした。

科学的根拠(エビデンス)を元に、無意識思考が効果的な事例を豊富にご紹介しています。

是非、目を通していただけますと嬉しいです。

今回もお読みくださりありがとうございました。

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参考までに今回ご紹介した書籍のリンクを貼っておきます。
どちらもすぐ読めて内容も充実していますのでご一読をおすすめいたします。