【研究】サッカーの予想を当てる/競馬の予想にも応用可【無意識思考】

皆さんはスポーツの予想をしたことはありますか?

例えば、サッカーや競馬の予想ってありますよね。

サッカーであればワールドカップやオリンピックの時に優勝予想や勝敗予想なんていうものが出ますよね。

実際にお金を賭けるスポーツ振興くじ(toto、サッカーくじ、BIG)なんてのもありますよね。

予想といえば競馬もそうですよね。

一攫千金をかけて週末は競馬場に行くなんていう人もいますよね。

実は、競馬ならやったことがあるんですよ。

福島出身の人にとっては競馬は割と身近なんですよね。福島競馬場がありますから。
競馬というとおじさんがやるイメージがあると思いますが、実際は若い女性も多いですし、カップルも多いです。馬場の内側は公園になっていまして、お弁当を食べたり子どもたちが遊んでいたりと競馬以外でも結構楽しい場所であったりするんですよ。

皆さんはそのような予想で好結果を得られたことがありますでしょうか。

私は残念ながらあまり当てたことがないんですよね。少額ばかりです・・・。

で、そうした予想するときは「じっくり考える」こと、つまり時間をかけて熟考することが一番いいと思いませんか。
時間をかけてよく考えることで良い結果がもたらされると。

普通はそう考えますよね。
じっくりとあれこれ比較検討することによって的中確立が上がると。

実際、競馬場に行くと競馬新聞を片手に情報とにらめっこしている人ばかりです。

特に、プロの予想屋の人は情報が豊富ですから熟考することが最善のように思えます。

果たして、これは本当なのでしょうか。

じっくり考えることで予想を当てることができるのでしょうか。

熟考することで予想を高確率で当てることができるのでしょうか。

実はそうではなさそうです。

今回はそれを示した研究を2つご紹介いたします。

サッカーリーグの予想を当てる(実験①)

研究者は、被験者に複数のサッカーの試合を予想してもらう実験を行いました。

被験者はサッカーの知識に応じて「素人」と「専門家」の2つのグループに分けられました

それぞれのグループに対して3つの思考条件を割り当てました。

  1. 直観条件
    →被験者はサッカーの試合に関する情報が提示されたのちすぐに予想を言うように指示された
  2. 意識思考条件
    →試合の情報が提示されたのち、2分間考える時間が与えられ、その後予想を提示する
  3. 無意識思考条件
    →試合の情報が提示されたのち、2分間の記憶問題を解いた(2バック課題=妨害課題)あとに予想を提示する

①直観条件では、考える時間がないので即決するよりほかありません。

②意識思考条件では2分間考える時間が与えられます。じっくり考えた上で予想を決めることができます。

③無意識思考条件では、情報の提示後、記憶課題をやることになります。この記憶課題はサッカーの選択とは全く関係のない問題です。この課題を解いている間はサッカーの予想について考えることはできません。

そのため、本来の課題についての意識的・論理的な思考が妨げられるという意味で妨害課題と呼びます。

無意識思考についてご存知の方であれば説明は不要かもしれませんが、この妨害課題を行なっている最中に無意識思考が生じていると仮定しているのです。

それぞれの思考条件で予想の結果はどうなったのでしょうか。

結果がこちらです。

 

 

まず素人の結果から。

3つの思考条件間では有意な差はありませんでした。
つまり、どの思考条件でも予想の精度は変わらないことがわかりました。

もっとも、グラフを見る限りどの思考条件も予想を当てる正答率は5割を切っているので、ほぼデタラメに選んだ結果と変わりありません。

次に、専門家の結果ですが、③無意識思考条件の正答率が他の2つの条件のより有意に高かったことがわかりました

他の2つの条件、つまり①直観・②意識思考条件の結果は5割前後の正答率ということでほぼデタラメに選んだのと変わりありませんでした。

この結果からわかることです。

まず、専門家が直観的に予想を当てることはよくなさそうです

多くの人は専門的な知識を活かす時間がなかったからだと考えるからでしょう。

でも、事実は異なるようです。

時間をかけて考えることができた意識思考条件とほぼ結果はかわりませんでした。

つまり、時間をかけたからといって必ずしも良い結果に結びつくわけではなさそうです。

そして、予想とは関係に課題を行なった被験者は比較して良い予想をすることができました。

つまり、無意識思考を活用した方が良い予想ができるということなのです。

※無意識思考については下記の記事を参照してください。

ワールドカップの予想を当てる(実験②)

今度は、実際のワールドカップの結果を予想するという実験を行いました。

ドイツで開催されたワールドカップの試合で実験①と同様の実験を行ったのです。

その結果がこちら。

 

 

全体的な傾向は実験①と同じでした。

今回の実験でも、③無意識思考の条件のグループのみ優れた予想ができたのです

ではなぜこのグループのみ良い結果が出せたのでしょうか。

研究者らは次のように考えました。

ワールドカップの予想を当てるのに最も重要な指標は「ワールドカップランキング」です。

当然ながら専門家はワールドカップランキングの知識はもっているはずです。

ところが、①直観条件の被験者はこの情報を活かす時間がなかったと考えらます。

確かに、即座に予想するように言われたら誰しもワールドカップランキングの知識を予想に活用することはできません。時間がないからです。

②意識思考条件の被験者は一見、この情報を一番活用できそうに見えます。
実験①と同じ理屈です。

実際はそうではありませんでした。何故でしょうか。

それは、「重みづけのエラー」という現象が起きているのではと研究者らは考えました。
重みづけとは適切な情報に適切な評価をするということです。

この実験の場合、ワールドカップランキングに重きを置くべきところを、他の要因を誤って重要と判断したことによると考えられます。例えば、テレビや新聞のゴシップ、不確かなチーム情報など些細な情報に惑わされてしまった可能性があるのです。

不正確な情報にも関わらず「○○国のエースは今季絶不調だったらしい・・」なんていう情報を真に受けてしまい、それを重要視してしまうという具合です。

一方、③無意識思考条件の被験者は適切な重みづけを行なうことができた、つまり今回の予想にあたってワールドカップランキングの知識を活用することができた、と考えられます。

実際に、②意識思考条件での予想とワールドカップランキングに相関はありませんでしたが、③無意識思考条件とは相関がみられたのです。

この点に関して参考までにもっと詳しい解説を行ないます。
(ちょっと難しい話ですので、飛ばしていただいて構いません)

私たちの記憶には2種類あります。
一つは逐語的記憶(verbatim memory、もう一つは要旨的記憶(gist memoryです。逐語的記憶とは、簡単に言うと、詳細な記憶のことです。一方、要旨的記憶とは詳細までとはいかなくても文字通り要旨として記憶していることです。
ファジートレース理論(Fuzzy-Trace Theoryという心理学の理論があります。それによると、専門家は基本的に素人より要旨的記憶をもとに選択を行なっているといいます。
さらに、要旨的記憶の方が逐語的記憶を基にした選択よりよい選択ができるといわれています
意識思考は逐語的記憶をベースに選択を行ないます。
一方、無意識思考は要旨的記憶をベースに行なうということが研究で分かっています。
つまり、無意識思考は意識思考よりよい選択ができるというのです。

競馬の予想を当てることにも応用可能です

今回の研究結果はサッカーだけではなく様々な予想に当てはめることができます。
例えば、競馬ですね。
競馬の予想を当てるには様々な要因を考慮する必要があります。
例えば、血統・距離適性・当日の馬場状態・騎手との相性・レース間隔・調教の状況・競馬場との相性・パドックでの様子・枠順・脚質・ライバルの状況・・などなどきりがないくらいです。
ではそれらの情報を頭に入れてじっくり考えればベストな答えが得られるのでしょうか。
今回の研究結果を踏まえるとそうではなさそうです。
情報を入れたら、何か他のことをして無意識思考を作動させてから選択するのがベストのようです。
私は以前、馬券を買ったことがあるのですが、まさに熟考といいますか、じっくり考えていました・・・。
もちろん、お金がかかっているので直観での判断はしませんでしたが、無意識思考というのを知らなかった頃なのでやむを得ませんね。
今なら間違いなく無意識思考を使いますね。
情報を頭に入れて、馬場の内側を散歩でもするかもしれません。
馬券を買っていないレースをゆっくりと眺めたりとかですかね。
(以前は馬券を買っていないレースの時間ですら予想に費やしていました・・競馬を知っている人ならよく事情を理解していただけると思います(^^;)
予想を当てるというのは一種のゲーム感覚ですよね。
ゲーム感覚で無意識思考を使ってみてはいかがでしょうか・・もしかするとより予想が当てることができるかもしれません。
今回はサッカーの予想に関する記事でした。
お読みいただきありがとうございました。
今回はPsychological Science誌に掲載されている『Predicting Soccer Matches After Unconscious and Conscious Thought as a Function of Expertise』を参考にしました。
こちらです↓
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