マインドフルネスの脳科学的効果とは?【おすすめ本の紹介もあり】

マインドフルネスって様々な健康効果があるんですね。

でも、ぼーっとしているだけなのにどうしてそんな効果があるんだろう。
もしかしたら脳が変化していたりするのかな?
マインドフルネスの脳科学的効果について知りたいです。

今回はこのような疑問にお答えします。

経営脳科学者がお答えします。心理学・脳科学研究で博士号を取得し心理学の教科書(共著)と一般書を出版しています。無意識思考研究の第一人者です。

マインドフルネスの効果に関する研究は心理学、生物学など様々な領域で研究がなされてきました。

様々な健康効果があることが示されてきていますが、特に脳科学研究が進んできています。

マインドフルネスと脳科学研究はここ20年ほど研究者の間で話題となってきました。

瞑想中の脳科学研究には現役の僧侶が被験者として参加するなどかなり本格的に行われています。

たくさんの研究があるのですが、重要と思われるものをピックアップして解説していきます。

瞑想の脳科学(瞑想神経科学)の発展

マインドフルネスと脳科学の研究は、(正式には)瞑想神経科学という枠内で研究されてきました。

ちょっと、横道にそれますが、一般に私たちが呼ぶ脳科学は英語でNeuroscience、つまり神経科学のことを指しています。そのため、瞑想の脳科学研究は、「The Neuroscience of Meditation」なので瞑想神経科学と呼ぶべきものなのです。しかし、おそらく日本語で神経科学というと神経の学問?と脳とは関係ない学問領域と勘違いされる方が多いためNeuroscieceに対して脳科学という呼び方をしているのでしょう。ちなみに、日本語の脳科学に対応する英語としてBrain scienceという訳語があります。

その瞑想の脳科学研究で外せない人物がいます。

ウィスコンシン大学のデイビッドソン教授です。

瞑想と脳科学研究で面白い研究をたくさん発表されています。

しかし、初期のころにはたくさんの苦労があったとか・・。

彼がまだハーバード大学の大学院生だったころ瞑想の科学研究をしたいと当時のアドバイザーに申し出たところ、「キャリアが台無しになるからやめたほうがいい」とアドバイスを受けたそうです。

70年代、80年代は今と違って脳の中を見るテクノロジーが発展していませんでしたからやむを得ないかもしれません。

しかし、90年代に入り、fMRIなどの体内を画像化する技術が進歩したことで瞑想中の脳活動に関する研究が進むことになったのです。

彼は、実際の僧侶を被験者に様々な実験を行なうなど瞑想脳科学研究の中心的な役割をはたしています。
(驚くべきことに、大学にマインドフルネスの研究を専門的に行なうセンターまで作っています)

研究者からの立場でいわせていただくと、現役の僧侶を被験者にするというのは相当ハードルが高いです。

まず、コネクションがないと無理ですし、その上で協力を仰がないと難しいです。

ところが、1992年にはダライ・ラマ法王(チベット仏教の法王)と面会し、瞑想の科学について話合ったといいます。

ダライ・ラマ法王も世界最大級の脳科学の学会である「北米神経科学学会」(通称SFN)で「仏教と現代科学の接点を求める」という講演をしたことで、科学的解明に関して仏教界からも理解が得られたというのも大きいと思います。

そういった経緯を経て瞑想と脳科学研究が進められることになったわけです。

さて、マインドフルネスの効果の一つとして集中力の向上が挙げられていますが、脳科学的にはどういうメカニズムなのでしょうか。

マインドフルネスは呼吸に意識を向け、気が散ったらまた呼吸に意識を戻すということを繰り返します。

これは脳のコントロールセンターである前頭葉が指令を出しているのですが、それをかきみだすのが扁桃体(へんとうたい)という領域です。

扁桃体は不安や怒りなどのネガティブ感情を引き起こす部位としてして知られています。
この扁桃体が活動すると前頭葉の指令にストップがかかってしまいます。

マインドフルネスは扁桃体の活動を押さえたり、そもそも扁桃体の体積を小さくする効果があるといわれています。

それゆえ、マインドフルネス実践者は落ち着いていたり、ストレス環境下にあっても比較的平常心でいることができるようになるといわれています。

このように脳科学的に分析することによってマインドフルネスの効果をより具体的に知ることができるわけです。

マインドフルネスを実践することで体積が増える領域もあります。

マインドフルネスで脳の体積が増える!?

瞑想脳科学研究で初期のころの有名な研究があります。

ハーバード大学のラザー講師らは、瞑想熟達者とそうではない人達の脳の状態を比べました。

その結果、瞑想熟達者は前頭前野と島(とう、と読む)皮質の体積が大きいことをつきとめました。

前頭前野は思考や判断を担っている社会生活に欠かせない領域です。
島皮質は感情に関係する領域です。

特に興味深いのは年齢が上がるにつれてその傾向が顕著になっていることです。

一般に、年齢が上がるにつれて前頭前野の体積が減少し、機能も低下すると考えられています。

瞑想により、脳機能の低下にブレーキがかけられるようになるのかもしれません。

脳科学研究の進展により、直接脳の体積などを計測できるようになりマインドフルネスの科学的効果というのがより一層裏付けられるということになったのです。

リラックスとは違うことを脳科学的側面から解明

もう一つ、面白い脳科学研究があるのでご紹介しましょう。

マインドフルネスや瞑想はリラックスとは違います。

カーネギーメロン大学のクレスウェル准教授はマインドフルネスとリラックスの違いを確かめるための実験を行いました。

35人のストレスフルな求職者を集めました。

そのうち半数は瞑想のプログラムに参加してもらいました。
残り半分はリラックス(ストレッチや散歩など)をして過ごしました。

それらをわずか3日だけ実施したのです。

この実験の前後で安静時の脳活動を5分間撮りました(専門的には、resting-state状態を撮像したということになります)

実験の前後の脳活動を比較したところ、注意などに関係する前頭葉の一部である、背外側前頭前野(通称DLPFC)という領域が瞑想プログラム参加者で優位に活動していることが分かったのです。

この背外側前頭前野は思考や注意といった社会活動に欠かせない非常に人間らしい重要な働きを担っている領域です。

私たちの脳は何もしていなときでも活動しており、それをデフォルトモードネットワークと呼びます。

車のアイドリング状態としてたとえられます。

デフォルトモードネットワークが活動している間は雑念などが浮かびやすくなりストレスを感じることが多くなるといわれています。

この雑念などが浮かびやすい状態を制御してくれているのが背外側前頭前野であり、瞑想群ではこれが働いていることでストレスを感じにくくなっていると考えられます。

逆に、リラックス群ではその活動が低下していました。

この研究により瞑想の効果だけではなく、リラックスとは明確に異なることが示されてたのです。

マインドフルネスおすすめ本

マインドフルネス関連本はたくさん出版されています。

基本的には、書店で手に取ってよみやすそうなものを一冊読めば十分です。

本を読むのも大事ですが、重要なのは実践です。

とにかく、実践しましょう!

一応、初心者向けと中・上級者向けにマインドフルネスのおすすめ本を紹介します。

初心者向け

読みやすさ重視です。

さらっと読めるのでおすすめです。


中・上級者向け

正直、読みにくいです。
とはいえ、本質を知るためには避けて通れない内容でしょう。

マインドフルネス研究の大御所のカバットジン博士の著書です。

マインドフルネスストレス低減法(通称MBSR)の開発者でもありうつ病の治療などに用いられているプログラムに携わっています。

専門的にマインドフルネスについて知りたい方向けの本です。


今回は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。

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