【健康法】マインドフルネスの効果【科学的根拠あり】

最近なんだか集中力が切れやすい。
好きなYouTubeを見ていても3分ともたない・・・。
仕事や勉強をしていると気が散るし、やることが長続きしない。
漠然とした不安もあるし、毎日が憂鬱・・・。
マインドフルネスというのが流行っているというのは聞いたけど私にも効果あるのかな?
今回はこのような疑問にお答えします。
経営脳科学者がお答えします。心理学・脳科学研究で博士号を取得し心理学の教科書(共著)と一般書を出版しています。無意識思考研究の第一人者です。
集中力が切れやすい人が最近は増えていますよね。
漠然とした不安を感じる方、毎日が憂鬱な方も増えています。
実はこうした気分や気持ちがマインドフルネスを行なうことで軽減することがわかっています。
もちろん、私自身も生活の中に取り入れていますし効果を実感しています。
それでは、集中力が切れやすい理由・漠然とした不安を感じやすい理由などを説明し、マインドフルネスの効果をわかりやすく説明します。

集中力が切れやすい理由

集中力が切れやすい最大の原因は私たちの生活にあります。
現代は昼夜問わず仕事している状態ですし、さらに仕事や生活が「マルチタスク」状態になっています。
マルチタスクというのは同時に2つ以上の作業をやることをいいます。
例えば、音楽を聴きながら読書をするなどです。
このマルチタスク状態が常に続いていることが集中力がなくなってしまう最大の要因なのです。
おそらくこの記事をお読みの方のほとんどはスマホをお持ちだと思います。
スマホは私たちの生活を便利にしてくれる反面、生活をマルチタスク状態に置いてしまうのです。
例えば、電車の中を見渡すと、多くの人は下を向いてスマホに夢中ですよね。
移動中だけではなく、空いた時間があればスマホをいじってしまっていませんか。
食事中、読書中、トイレの中まで・・・。
食事中なんかテレビを見ながらスマホをいじっているときもありますよね。
私もあります。
動画見ながら食べたりですね。
そんなときは食事に集中できず何を食べたか忘れているなんてこともあります。
ちょっと皆さんに質問です。
皆さんは昨日の夕食で食べたものを憶えていますか?
昨日おとといの夕食は?
ちょっと思い出してほしいんですね。
結構、憶えていない方も多いのではないでしょうか。
ちゃんと味わって食事に集中すれば憶えているものなんですよ。
パッと出てこない方はもしかすると食事に集中できていない可能性があります。
食事の例に限らず、
スマホで音楽を聴きながら勉強や読書をする。
スマホ片手に何かをする。
実はこういったことの積み重ねが知らず知らずのうちに集中力を奪っていくのです。
つまり、私たちの生活が常に複数のことを同時に行なっているために、集中力がなくなってしまっているともいえるのです。

日々、漠然とした不安を抱えてしまう理由

集中力を失った状態では物思いや妄想にふけってしまうことも多く、多くの人は漠然とした不安を感じやすくなるのです。
ぼーっとしているとき、将来の不安を感じ、過去を後悔し・・・皆さんにも経験はありませんか?
漠然とした不安っているのは、気が散ってしまっているときや集中力がなくふとぼーっとしてしまうときに出てきませんか?
思考が過去や未来に行って急に不安になってみたり・・。
何かに没頭している状態では、心配事や不安なんて感じたくてもできません。
こどもの頃、泥遊びに夢中になっているときに将来の不安なんて考えていなかったですよね。
仕事に集中しているとき、勉強しているとき、趣味に没頭しているとき。
このようなときは、悩みや不安な感情などは出なくなります。
仕事で一生懸命のときなどは忙しくて悩んでいるヒマなんてないでしょう。
とにかく、何かに集中してさえいれば漠然と思いにふけるというのはないのです。
逆にいうと、集中できていないのでそういった不安感情が出てくるとも言えます。

マインドフルネスの効果

マインドフルネスの効果についてみる前に、そもそもマインドフルネスとは何なのか簡単に解説しましょう。

マインドフルネスの定義

日本にはマインドフルネス学会という学術的な組織があります。
(私も以前学会に参加したことがあります)

そのマインドフルネス学会によるマインドフルネスの定義が参考になるのでここに引用します。

今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること” と定義する。

なお、“観る”は、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味である。(引用:こちら

ぶっちゃけ、なんだかわかったようなわからないような定義ですよね。
ポイントは”観る”という漢字にあると思います。
いわゆる、見物と観光の違いですね。
皆さんはこの違いを説明することができるでしょうか。
一方は”物を見る”で、もう一方は”光を観る”ですね。
一言でいえば、見るの方は肉眼の眼で見るということです。
観るの方は、心の眼を使ってみるということです。
つまり、マインドフルネスとは心の眼を使って客観的に今を見つめることであり、今この瞬間にいることを意味しているのです。
「心の眼を使って」というのは具体的にどうやるかわからないという方もいらっしゃると思います。
難しく考えず、胸のあたりに意識を向けて今を見つめるという感じでいいと思います。
思考は今現在にフォーカスがあてられていますから、過去や未来にいったりきたりしていない状態です。
とはいえ、細かい理屈は抜きにして”今ここにいる”ということだけ押さえておけばOKです。

マインドフルネスの科学的効果

マインドフルネスには様々な効果があると科学的に検証されています。
特に多いのが健康に関する効果です。
といいますのも、マインドフルネスはマインドフル瞑想法ともいわれ瞑想とも関係があります。
瞑想の英訳はMeditationです。
頭のメッド(Med)というのは医学用語で使われる接頭辞なんですね。
例えば、メディカル(医療:Medical)やメディスン(薬:Medicine)のように使われます。
つまり、語源から推測するにマインドフルネス(瞑想法)というのは医療的な意味合いがあるということになります。
これまで科学的に検証されてきた効果は次のようなものになります。
マインドフルネスの科学的効果
  • ストレスの低減
  • 免疫力のアップ
  • 幸福度の向上
  • 脳の老化を防止
  • アンチエイジング
  • 集中力の向上
  • 学業成績の向上
すべて学術研究で科学的に検証されているものになります。
このご時世で特に重要なのは免疫力のアップですよね。
新型コロナウイルスに関しては、今のところ特効薬がありませんから免疫力を高める必要があります。
この免疫力に関する研究をしたのは、ウィスコンシン大学のディビッドソン教授のグループです。(ちなみに、彼は、マインドフルネスの脳科学研究の泰斗でもあります。)
ディビッドソン教授らのグループはマインドフルネス研究のための機関をもち、優れた研究成果を次々と発表している世界的なマインフルネス研究拠点でもあります。
彼らは8週間の瞑想をした群としていない群の脳や抗体の状態から瞑想が免疫力に与える影響を検討しました。
その結果、瞑想した群はそうではない群より免疫力が向上していることがわかったのです。
そして、集中力の向上と学業成績の向上にもマインドフルネスは役立ちます。
これはマサチューセッツ工科大学の研究グループの発表なのですが、学生たちにマインドフルネスを実践させたところ集中力が向上しストレスレベルも低下。
結果、学業成績が向上したとのことです。
他にも、幸福度の向上やアンチエイジング効果など人生を豊かにしてくれる効果があると検証されています。
これだけの効果があるマインドフルネスを今すぐ始めない手はないですよね。
具体的にマインドフルネスのやり方は次回説明します。
今回は以上です。
お読みくださりありがとうございました。
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