【とにかくやめたい】皮膚むしり症・皮膚摘み取り症・スキンピッキングの克服法(4)

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スキンピッキングについて科学的にわかっていることは少ない

実は、大多数の皮膚科医やメンタルヘルスの専門家はスキンピッキングの対処法について知りません。

スキンピッキングで苦しんでいる人は、その行為を恥ずかしいと思っています。
さらに、それを隠したいという気持ちが働くためかなり深刻であっても相談することが少ないのです。

そういったことがあり余計にスキンピッキングの科学については知られていない、ブラックボックスのままなのです。

SNSなどを見る限り、相当数の方が症状で苦しんでおられます。

しかし、表に出てこないので研究もできなければ、治療もできないというのが実情なのです。

確かに、私の経験上も同じことがいえます。

皮膚科に行っても、せいぜい軟膏を出されるか「ピッキングを止めなさい」といわれる程度ですので根本的に治るわけではありません。

はっきり言って、「その癖を止めなさい」と言って止められたら苦労はないですよね・・・。

それができないから悩んでいるんですよね。

身もふたもない話になってしまいますが、これが現代医療や科学の限界なのかもしれません。

とはいっても、全く科学研究がないわけではありません。

アメリカの精神医学の診断基準書DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)では、最新バージョンのDSM-5にてexcoriation (skin picking) disorder(=皮膚むしり症、スキンピッキング)と名付けられいます。
これは、強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder; OCD)の一つとして分類されています。

その上で、スキンピッキングとはどういう症状なのかを記述した研究や認知行動療法研究、または投薬を行なう介入研究などがあるようです。

しかし、上記の理由などからサンプルサイズは非常に小さく研究の妥当性を検証するには不十分なようです。
(簡単に言うと、被験者が集まらないんでしょうね。「スキンピッキングの方、被験者募集」とあってもなかなか応募しにくいというのはありますよね)

症例も多く研究が進んでいる抜毛症(ばつもうしょう、Trichotillomania)はスキンピッキングとよく似た例として出されるが別物とみなすべきのようです。
脳科学の研究では、抜毛症もスキンピッキングも似たような反応をすることがあると示されています。
ところが、スキンピッキングでよく効く薬が抜毛症では効かないことを示す研究があります。

つまり、抜毛症の研究は進んでいるものの、その成果をスキンピッキングに応用はできないといえそうです。

日本でスキンピッキングで苦しむ方は100万人以上いる可能性がある

ある研究によるとアメリカでは人口の0.2%から1.4%がスキンピッキングで苦しんでいると言われています。

また別な研究では患者数として5.4%という見積もりを出しています。

ざっくり少なくとも1%だとしても、アメリカでは約300万人がスキンピッキングで苦しんでいることになるでしょう。

これを日本に当てはめれば、少なくとも100万人以上は苦しんいる人がいるという計算になります。

さらに、患者数としては女性が90%と男性より多いことが分かっています。

スキンピッキングは他の症状と併発することが知られています。

例えば、不安症、気分の落ち込み、双極性障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害、薬物乱用など。
他に、皮膚が取られてしまっていることによる感染症の引き金にもなりうるのです。

スキンピッキングの症状による社会的、心理学的コストははかりしれません。

多くの患者は孤立しがちであり、皮膚の状態が常に悪いことから自尊心まで低くなりがちです。

薬や心理療法に効果はあるか?

薬という点では、フルオキセチン(商品名:プロザック)が有効であると言われています。

著者がクライアントから聞いた話によると、最初は効くが、だんだんと効き目が悪くなってくるようです。

(そうなると処方量を多くするのでしょうが、危険のような気がします)

皮膚への局所的な薬はこの症状には効果がありません。

皮膚科医は“ピッキングを止めなさい”ということくらいしかできないようです。
患者にとってはあまり意味のないことかもしれません。

せいぜい、精神科医を紹介されることはあるかもしれません。
だとしても、プロザックか、効果があるとは証明されていない他の精神薬を処方されるかのどちらかでしょう。
いずれにせよ対処法が確立されていないようです。

著者は自身の意見として薬や医療者に頼ることはできないと述べています。

私もこの点についてはかなり同意できるところではあります。

心理セラピーとしては認知行動療法が成果を上げているようです。

認知行動療法での治療を希望される場合はスキンピッキングの治療で成果を上げているカウンセラーかどうか確認する必要がありそうです。(日本にそんな方がいるかどうか私はわかりませんが・・)

また、科学的には検証されていないが有効な治療法があることを理解することも重要なことでしょう。

リラクゼーションの技術や食習慣の改善などです。

これらは科学的には検証されていませんが、クライアントを通じた治療経験によって効果を実感している手法です。

今回の記事は以上となります。

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